2020年度中間期の業績について
業務粗利益は、新型コロナウイルス感染癥拡大による経済活動の停滯や市況変化による影響がありましたが、市場関連収益の増加や海外子會社の連結化による増収もあり、前年同期比1,238億円増加の2兆930億円となりました。営業費は、海外子會社の連結化要因があったものの、國內経費の抑制により、105億円の増加に留まりました。この結果、業務純益は1,133億円増加の7,404億円となりました。
親會社株主に帰屬する中間純利益は、コロナ禍による與信関係費用の増加を主因に2,061億円減少の4,008億円となりましたが、業務純益の増益によって、期初にお示しした通期業績目標に対する進捗率は72.9%となりました。新型コロナウイルス感染癥の早期沈靜化は見込みがたい狀況ではあるものの、中間期までの業績進捗を踏まえて、通期業績目標を500億円引き上げ、6,000億円としました。
財務の健全性を示す普通株式等Tier1比率(規制最終化ベース)は、12.2%と、引き続き十分な水準を確保しています。
株主還元の充実はMUFGの重要な経営課題の一つであり、安定配當を堅持する観點から、期初予想通り、1株當たり配當金は中間期を12.5円とし、年間での配當予想は25円を維持します。
めざす姿の実現に向けて
この4月、まさにコロナ禍のさなかに社長に就任してから半年余りが経ちましたが、私たちMUFGは、すべてのステークホルダーの安全確保と安定的な金融機能の維持を最優先と位置づけ、金融面のサポート要請に迅速?適切?柔軟に取り組んでまいりました。また、社會の安定の重要性を強く認識し、本業を通じた課題解決への貢獻を一層進めるとともに、金融サービスを通じた社會課題解決が難しい領域も含めて支援を強化することを目的に、與信費用等控除後の業務純益の一定割合を継続的に社會貢獻活動に拠出する枠組みを構築しました。
デジタライゼーション戦略では、アジアの海外子會社が戦略的提攜先のGrab社(注1)と協働で新たな金融サービスの提供を開始したほか、Ripcord社(注2)との協働を通じてロボット?AI技術を活用した紙資料の電子化?データ化を推進するなど、お客さまの利便性向上と業務の効率化をめざしています。さらに、デジタルを活用したすべてのお客さまとのお取引の活性化と、リテールビジネスの変革を起點とした全社的なデジタルトランスフォーメーションを推進する、新たな事業本部の設立も検討しています。
新型コロナウイルスへの対応を通じて大きく加速する社會の構造変化を乗り越え、いかなる時もお客さまや社會から信頼され続けるMUFGの実現をめざし、グループ一丸となって挑戦を続けてまいります。
今後とも皆さまのご理解と一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
(注1) 東南アジアにおけるスーパーアプリ事業者大手Grab Holdings Inc.
(注2) ロボット?AI技術を基盤としたサービスを提供する米國スタートアップ企業Ripcord, Inc.
2020年11月
取締役
代表執行役社長 グループCEO
亀澤 宏規